節電・省エネ生活


 東日本大震災からはや8年になりました。
だんだんと復興は進んできていますが、まだまだ時間がかかりそうです。

 福島原発の廃炉に向けて徐々に研究は進んでいるようですが、原発の安全性への疑問符はついたまま。
政府や電力業界は原発の再稼働を進めていますが、悲惨な事故を起こさないために慎重な検討をお願いしたいと思います。
相変わらず慢性的な電力不足も心配されています。
火力発電も古い施設が多いので、いつトラブルが発生しないとも限りません。

 温暖化の影響で、今後も夏には猛暑、冬には厳冬の日々が続くことが予想されます。
再生可能エネルギーは、だんだんと増えてきていますが、気象などに影響されやすいため安定的に供給できるようには、まだ課題があります。
私たち消費者は、いろいろ工夫して省エネ生活を定着させる努力を続けてまいりましょう。

 最近は一時期に比べて節電意識が薄れてきているとの世論調査があります。 いつまた、どんな災害が起きるかわかりません。
常に節約の意識を忘れないようにしたいものです。






 さて、どうして節電しないといけないのでしょうか。
上のグラフをご覧ください。
真夏の日中には電力の消費が大きくなり、場合によっては供給能力を上回ってしまう恐れがあります。
もしも供給能力以上の電力が使われると、部分的に停電が起こることがあります。
そうなると、医療現場をはじめ様々な場所で混乱が起き、社会的に大きな問題となる恐れがあるのです。
(ご存知のように、韓国では、この不安が現実になってしまいました)

 もちろん、節電はピーク電力を抑えるためだけではありません。
地球温暖化を抑えていくためには省資源・省エネルギーの生活スタイルを確立する必要があります。
エネルギーの浪費は決して豊かさの象徴ではありません。
不必要な豊かさを追い求めて行くのは、そろそろ終わりにしたいものです。






 ここからは家庭での節電について考えて行きましょう。
上の図をご覧ください。
最近では消費電力の大きな電化製品も多くなっています。
(この図は、あくまでも代表的なもので、メーカーや機種によっても違いがあります)
電化製品は便利ですが、使い方によっては大きな無駄をしている場合があります。
賢く工夫することによって無駄を減らすことができます。






 家庭の中で日中たくさんの電気を使っているのは何でしょう?
上のグラフをご覧ください。
エアコン・冷蔵庫・照明の3つで全体の8割を占めていることがわかります。
この3つを賢く節約することで大きな成果を上げることが可能です。


では、どうしたら節約できるのか考えてみましょう。

★まずはエアコン。
やたらに設定温度を下げるのは電気の無駄遣いばかりでなくカラダにも良くありません。
目安は28度。(無理のない範囲で設定してください)
扇風機を併用すると冷房効果が高まります。
すだれ・よしず・カーテン・ブラインドなど部屋に差し込む日差しを減らしましょう。
朝夕の「打ち水」も効果があります。

★次に冷蔵庫。
詰め込みすぎは効率を下げるばかりか食品の痛みを助長してしまいます。
お買い物のあと、まずはどこに入れるか分類してから手早く入れるようにしましょう。
ドアの開閉は回数も時間も少なくなるように気をつけましょう。
温度設定も「中」がオススメ(無理のない範囲で)です。

★日中、明るい時は無駄な照明を消しましょう。
ランプやカバーの清掃も重要です。
光センサーを使った自動スイッチも積極的に活用しましょう。

★テレビも明るさや音量を抑え気味にすると節電になります。
もちろん見ていない時はスイッチを切りましょう。

★その他、夏場は暖房便座のスイッチを切ったり洗浄水の温度を下げたりしましょう。
ご飯をジャーで保温せず冷蔵庫で保存しましょう。
また待機電力も意外に馬鹿になりません。
出来るだけ主電源を切ったりプラグを抜いたりしましょう。

★古い型の家電品はおおむね消費電力が大きいです。
エアコンや冷蔵庫など、10年以上前のものは新型に比べ倍以上の電気を消費するといわれています。
思いきって買い替えるというのも一つの選択肢だと思います。






 以上、特に夏場の電力ピークを抑えることを中心に述べてきました。
しかし、季節を問わず節電に努めることは大切です。
今の私たちの生活をよく振り返ってみると、まだまだ無駄が多いように感じます。
 人工衛星から夜の地球を見ると、大都市を中心にして地形がはっきりわかるほど明るく光り輝いています。
もちろん防犯上の観点などから、あまり暗いのが良いとは言えませんが、不必要な照明が多いことも事実です。
皆んなが賢く工夫することで、しっかり無駄を減らすことができると思います。
私は新しく発電設備を作らなくても無駄を省くことで電力の安定供給ができると信じます。


 最後に冬ならではの手軽な節電ワザを一つご紹介します。
こちら遠州地方では、冬場は冷たい「からっ風」が吹きますが、おかげさまで晴天には恵まれます。
ですから太陽光のお恵みを十分に活用したいものですね。
と言っても太陽光発電ではなく、お天気の良い日には南側のカーテンをしっかり開けて部屋の中へ陽の光を十分に取り込むのです。
夕方になり陽が陰ったら急いでカーテンを閉めます。
これだけで暖房費をかなり節約できますよ。

 カーテンを取り替える際には「遮熱・断熱」タイプがお勧めです。
夏には、緑のカーテンやよしず・すだれ等との併用で外部からの熱の流入を防ぐのも効果的な節電につながります。
ふろの残り水や雨水を使っての「打ち水」も効果的だといわれています。
皆さんも、いろいろ工夫して賢い生活を心がけて下さい。






◆このページは電気工事工業組合のパンフレットを参考に作成しました